
昭和元年(1926年)からちょうど100年の節目にあたる今年(令和7年)、昭和の庶民の日常になくてはならなかった銭湯をテーマとした「町田忍 銭湯のカ・ケ・ラ展 ~昭和100年を記念して~」が、7月13日(日)~ 7月21日(月祝)まで、自由が丘の銭湯・みどり湯に併設のギャラリー「gallery yururi」(ギャラリー・ユルリ)で開催される。
今回展示されるのは、約40年にわたり北海道から沖縄県まで約3800ヵ所の銭湯を訪ね歩いてきた庶民文化研究家の町田忍氏が、銭湯から譲り受け、保管してきたコレクション約100点。町田氏が「“銭湯遺産”として後世に伝えたい」という思いから収集してきた貴重なアイテムは、どれも目を引くものばかりだ。
洗髪時に大量のお湯を使用するため別料金を支払ったことを証明する「洗髪札」や、番頭さんがお客さんの背中を流したりマッサージする「ながし」の料金を支払ったことを示す「ながし札」、そして浴室に掲示された手書き広告など、現在の銭湯では見られなくなった懐かしのアイテムが多数展示される。
洗髪札・ながし札
銭湯の浴室に掲示されていた手書き広告看板の数々
中将湯金看板/春日湯(奈良市橿原市)
祝額/山喜湯(横浜市南区)
そのほか、銭湯に富士山の絵を初めて描いた絵師の約100年前の作品写真、昭和30年頃の銭湯の設計青焼図面なども公開される。本邦初公開となる“OFF LIMITS TO OCCUPATION TROOPS”(進駐軍お断り)の看板は、どういった経緯で作られたのか興味深い。開催期間中は町田氏が在廊するので、直接確かめてみては。
カラン/廿世紀浴場(台東区日本堤)
進駐軍お断り看板/共栄湯(愛知県豊川市)
“OFF LIMITS TO OCCUPATION TROOPS” (進駐軍お断り)
開催期間中は、ギャラリーに隣接するみどり湯の展示スペースにも、この企画に関連したアイテムを展示する。ノスタルジーな雰囲気を楽しみながら、銭湯の入浴を楽しんでみてはいかがだろうか。
■開催情報
町田忍 銭湯のカ・ケ・ラ展 ~昭和100年を記念して~
・会期: 2025年7月13日(日)~7月21日(月祝)
・休館日: 7月17日(木)
・前期展示: 7月13日~7月16日 / 後期展示: 7月18日~7月21日
※会期中、一部コレクションの展示替えを行います。
・開館時間: 13~19時
・入場無料
・企画協賛: みどり湯 & ギャラリー yururi
※会期中は町田忍氏が在廊します。
ギャラリーyururi
T152-0034東京都目黒区緑が丘2-7-13
https://midoriyururi.com/
みどり湯
https://www.1010.or.jp/map/item/item-cnt-520
東急東横線/大井町線「自由が丘駅」より徒歩10分
お問い合わせ: 03-3717-4516
庶民文化研究家 町田 忍(まちだしのぶ)
1950年東京目黒区生まれ。 庶民文化研究家、日本銭湯文化協会理事。銭湯研究の第一人者で、自他ともに認める銭湯博士。 現在は執筆のほか、コラムニスト、コメンテーター、イラストレーター、映画・テレビ・ラジオ出演、ドラマの時代考証など多方面で活躍中。
銭湯に関する主な著書
『銭湯へ行こう』(TOTO出版)
『銭湯の謎』(扶桑社)
『銭湯遺産』(戎光祥出版)
『ザ・東京銭湯』(戎光祥出版)
『最後の銭湯絵師』(草隆社)
『銭湯「浮世の垢」も落とす庶民の社交場』(ミネルヴァ書房)
『町田忍の銭湯パラダイス』(山と渓谷社)
町田忍コレクションウェブサイト『昭和文化遺産大博覧会』
町田忍公式SNS
X(旧Twitter):@kerorin_machida
Instagram:machida_shinobu