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編集部「また銭湯レポートお願いします」
ときん「わかりました! 今度はどこですか?」
編集部「荒川区のタイムリゾートさんです」

タイムリゾート? ○○湯とか△△浴場ではなく「タイムリゾート」!?
そんな南太平洋の熱い砂浜の上でパラソル差して、メロンソーダをストローで飲むような銭湯があるはずない! いや、あっても荒川区にはない!

そんなお洒落な銭湯が……

あった―――!

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こりゃ恐れ入りました。早速、お邪魔しましょう。「こんちわ――――」

こちらタイムリゾートさんは、都電荒川線「町屋2丁目」駅から徒歩3分程の住宅地の中にあります。鉄筋の建物の一階にあるマンション銭湯です。

ご主人の岩本潤さんのご両親が、先代に頼まれてお風呂屋さんを始めたのが16年前。今はそのご両親も高齢で、仕込み(ボイラー点火、お風呂の換水、お湯張り等の開店の準備)も難しいため、早い時間の番台だけ任せて、今はほぼ岩本さんが一人で切り盛りしています。

名前の由来は先代がご家族4人の頭文字から取ったとのことですが、奇跡的に「T、I、M、E」になったという。リゾートの方はよくわからないとのことでした。

中に入りましょう。
脱衣場は広々。そしてどことなくレトロ。

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浴槽は何種類かありますが、中でもご主人の推薦は3つ。
まずは露天風呂。

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作った当時は『露天』だったそうですが、この世知辛いご時世、よんどころない事情で今は一部天窓から自然光を取り入れてます。

ですが、この竹の壁、そして石で作られたお風呂が何となく旅情を醸し出して、まるで遠くの温泉場へ湯治に来ているみたいと、ご常連に好評だそうです。
なるほど、眼を閉じると風の声、木の葉のざわめきも聞こえるような……

そしてサウナ。
今は男性側のみ使えるそうですが、銭湯のサウナにしては随分スペースを割いたなあ、と思えるほど、ゆとりを感じました。お隣さんを気にせず寛げますね。

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もちろん水風呂も完備。
たっぷり汗かいた後の水風呂が、また気持ち良いんですよね。
飛び込みたい衝動は分かりますが、ちゃんと水で汗を流してから入りましょう。長生きのために。

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そして私が一番食い付いたのがこちら。

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ラドン浴泉。
ウルトラマンに出て来そうな……いや、なんでもありません。

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そもそもラドン浴泉(温泉)って何ぞや??って話ですが。

「ラドン温泉とは、浴槽内へ安全な一定の濃度に保たれたラドンガスを送った温泉です。
(ラドンを含む「天然温泉」は、いわゆるラジウム温泉と呼びます)
ラドンは脂肪に溶けやすく、皮膚を通して体内にとりこまれます。皮膚からの吸収量は、浴水温度が高いほど、また皮膚の血流量が多いほど増加します。
また、ラドン温泉が関節リウマチや運動器疾患の患者の痛みを和らげるとされていますが、これは、ラドンが特に脂質の多い神経の髄鞘(ずいしょう)に作用するためと言われています。」(出典・BIGLOBE温泉

これを再現しているんですね。
ラドン(ラジウム)温泉で有名な所は、北海道の二股ラジウム温泉、秋田県の玉川温泉、鳥取県の三朝(みささ)温泉などがありますが、そこまで行かずとも似た効用が荒川区で……夢の様じゃあ、ございませんか!

遠出せずともゆっくり癒される、まさにタイムリゾート!
ご常連の中にも楽しみに通われてる方もいらっしゃって、短時間で汗が出て、膝や腰も何日か通ってるうちに楽になったとの声もあるそうです(個人差あり)。

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お湯は無色透明。赤いのは底のタイルの色です。

 

 

銭湯経営が厳しい現代。通う人達もいつしか歳を重ね、今は6割程がご高齢の方。でも、そういった方にこそ優しく寄り添いたいと岩本さんは語ります。

「だって今の時代を築いてくれたのは大先輩の方々ですよ。大事にしたいんです。お年寄りも家から出ないと人と触れ合う機会が少ないでしょ? そういう寂しいお年寄りを少なくしたいんです。お風呂屋さんを人と人を繋ぐ場にしたい」

番台からお客様に話し掛けるのも、そのため。何気ない一言でフッと気が休まったり、あるいは普段との様子の違いに早く気付けたり、忘れられがちなコミュニケーションをとても大事に考えてらっしゃる。

その一方で、銭湯の未来に光も見えています。
「最近若い方も来てくれるようになったんですよ。少年野球とかサッカーの練習の帰りに」

昔は家族皆でお風呂通いが当たり前だったので自然と子供が銭湯に親しみましたが、この時代に子供の方から興味を持って銭湯に入ってくれるとは、銭湯にまだまだ未来はある! 
そして未だ家族で週何回か通って下さる方も居るとか。

やはり下町。どこかそう言った人との繋がりを大事にしてる方が多くいらっしゃるんでしょう。嬉しいじゃあございませんか。

苦労は多いが、体が丈夫なうちは頑張りたいとおっしゃる岩本さん。
「その良さが分かるから、一度入ってみて下さい。お風呂入って悪いことはない。みんなで楽しく入りましょう!」
そう語るご主人は、お風呂の湯の様に熱い信念を持った方でありました。

(写真・文:銭湯ライター 三遊亭ときん


【DATA】
タイムリゾート(荒川区|町屋二丁目)
●銭湯お遍路番号:荒川区 10番
●住所:荒川区町屋4-4-1
●TEL:03-3819-7941
●営業時間:15~24時
●定休日:金曜
●交通:都電荒川線「町屋2丁目」駅下車、徒歩3分
●ホームページ:タイムリゾート
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