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下北沢駅周辺は小田急線の地下化に伴う大規模再開発が進行中。今回はそのお隣、東北沢駅のすぐそばに店を構える石川湯を訪ねた。住宅街にある銭湯だが、ビルの上に建つ四角い煙突があるのでわかりやすい。お店を経営するのは「ダンディー」という言葉がよく似合う、石川豊さん。この道40年のベテランだ。

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東北沢駅も地下化に伴い真新しい駅舎が建設されており、石川さんは「線路が地下になって踏切がなくなり、随分便利になった」と話す。なんでも最寄りの踏切はピーク時には30分も開かず、お客さんがすっかり湯冷めしてしまうこともあったんだとか。その踏切がなくなったことで、遠くからもお客さんが来てくれるようになったという。

さて、石川さんのおじいさんがこの地で銭湯を開業したのは1927(昭和2)年。当時、周辺は畑だらけで小川が流れ、お隣の下北沢駅まで見通せたとのことだが、住宅が建ち並ぶ現在からは想像もできない。現在の建物は1977(昭和52)年に石川さんのお父さんが建てたものだ。

暖簾をくぐり、店内に入ると全体的に真新しい印象を受ける。「長期間休んでお客さんに迷惑をかけないように、こまめに手を入れているんです」と石川さん。その言葉通り、下足場、ロッカー、壁紙などが新しくなっているほか、照明のLED化など、店内のメンテナンスに気を使っていることがよくわかる。

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こぢんまりとした浴室は脱衣場やロビーと同様、明るくて驚くほどきれいだ。タイルは輝かんばかりに白く、カランやシャワーヘッドも曇りがない。清潔に保たれた浴室は、それだけでもうれしくなる。

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浴室奥にある湯船は、大きな一つの湯船に見えるが、下から泡が湧き出る浅めのバイブラエリアと、ジェットが噴出する座風呂エリアの2つに分かれている。バイブラに体を沈めてみると……、お湯の温度が絶妙! ご主人は42℃くらいと話していたが熱くもなくぬるくもなく、ついつい長居したくなる湯加減だ。座風呂はジェットが強力で、背中や足裏をぐいぐいとほぐしてくれる。

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早い時間はどの銭湯でも高齢者のお客さんが多いものだが、こちらは場所柄か若いお客さんも多い。この日は見かけなかったが、最近は観光で来日した外国人客も増えているとのこと。外国人客は事前に入浴マナーを調べてから来店するので、問題になることはないそうだ。「言葉はわからないけど、だいたい身振り手振りで通じるよ。でも、タオルを持って来なかった外国の人が、濡れたまま服を来て帰ったこともあったね(笑)」と石川さん。

毎週日曜日には薬湯を実施しており、これを楽しみに来る人も多い。お湯に入れているのは「いろいろ試したんだけど、これが一番評判がよかった」という漢方の「瑞恵(ずいけい)湯」。香り豊かでじっくり温まると人気だ。

石川湯の清掃やメンテナンスが隅々まで行き届いているのは、「できる限り店を続けたい」と話す石川さんの気持ちが反映されているように思える。帰り際、店の裏で薪を整理する石川さんへ、お湯の温度が絶妙で気持ちよかったことを伝えた。「お客さんによくいわれるんだ」と微笑んだその表情はほんの少しだけ誇らしそうで、長年銭湯を営んできた店主の誇りが垣間見えた。
(写真・文:編集部)


【DATA】
石川湯(世田谷区|東北沢駅)
●銭湯お遍路番号:世田谷区 2番
●住所:世田谷区北沢3-12-8
●TEL:03-3466-4305
●営業時間:15時半~23時45分
●定休日:月曜(祝日の場合は翌日休)
●交通:小田急線「東北沢」駅下車、徒歩3分
●ホームページ:https://www.setagaya1010.tokyo/guide/ishikawa-yu/
銭湯マップはこちら

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浴室にはリンスインシャンプーとボディソープを備え付け

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スーツが掛けられる大きなロッカーも完備

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冷蔵庫には湯上がりのドリンクが充実

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大きな暖簾は極楽への入り口

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建物は白いが入り口はレンガ調タイルで彩られている

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明るいうちはこの煙突が目印