江戸から昭和の各時代の銭湯を忠実に再現した「町田忍のジオラマで見る、昭和・江戸銭湯展」が、7月26日(金)~31日(水)まで、自由が丘の銭湯・みどり湯に併設のギャラリー「gallery yururi」(ギャラリー・ユルリ)で開催される。

今回展示される1/25スケールのジオラマは、銭湯研究の第一人者で、日本銭湯文化協会理事の町田忍さんが、江戸時代から庶民に親しまれてきた銭湯文化を現代に伝えたいと、NHKの連続テレビ小説「梅ちゃん先生」のタイトルバックなどで注目を集めるジオラマ作家・山本高樹さんと共同で製作したもの。

「湯船」の語源となったといわれる屋形船銭湯や、2階建ての混浴銭湯は、江戸時代の浮世絵などを参考に、時代考証にも忠実に再現。

浴槽を積んだ屋形船の移動銭湯

江戸時代に多く存在した混浴銭湯

昭和の銭湯では、東京の宮造り銭湯の代表格である大田区の明神湯と、国の登録有形文化財に指定されている大阪の源ヶ橋温泉という、現存する東西の有名銭湯が、建物から細かな装飾や小物にいたるまで、驚くほど精巧に作り上げられている。各ジオラマに配置された人物も、表情豊かでほのぼのとした魅力にあふれ、各時代の様々な場面を効果的に演出している。

明神湯と町田忍氏

大阪の源ヶ橋温泉

この他に、各種銭湯看板や銭湯浮世絵、解説パネル等も展示され、開催期間中は町田さんが在廊して随時解説を行う予定。ギャラリーに隣接するみどり湯のロビーでもミニ展示があるので、ジオラマの世界と併せて銭湯の入浴を楽しんでみては?


■開催情報
町田忍のジオラマで見る、昭和・江戸銭湯展 ~令和に引き継ぐ銭湯文化~
開催期間:2019年7月26日(金)~31日(水)13~19時
入場料:無料
場所:gallery yururi
目黒区緑が丘2-7-13(みどり湯の隣) 
問い合わせ:03-3717-4516(みどり湯と共通)

⚫出展作品
①江戸屋形船銭湯
海辺や川の近くの住民のための、屋形船の移動銭湯。「湯船」の語源になったといわれる

②江戸混浴銭湯(2階建て)
江戸時代に庶民の憩いの場として親しまれていた銭湯の約半数は混浴だったという

③東京型宮造り銭湯 明神湯(東京都大田区)
昭和33(1958)年の建築当時の姿で現在も営業中の、東京の代表的な宮造り銭湯

④大阪銭湯 源ヶ橋温泉(大阪市生野区)
昭和12(1937)年築で、平成10(1998)年に銭湯では初の国の登録有形文化財に指定(現在は休業中)

⑤町田忍の生家で行水風景
昭和28(1953)年当時の目黒の家屋を再現

⚫作家略歴
町田 忍  
1950年 東京生まれ。和光大学卒業後、警視庁警察官として麹町警察に勤務。その後様々な職業を経て「庶民文化研究所」を設立し、現在に至る。35年前より全国の銭湯を巡り、銭湯に関する第一人者として各方面で活躍している。(社)日本銭湯文化協会理事。

山本高樹 
1964年 千葉県生まれ。映像専門学校卒業後、映画・テレビ・CMなどに伴う模型や原型製作に携わる。特に昭和に関しての作品は高く評価されており、NHKの朝の連続テレビ小説「梅ちゃん先生」のタイトルバックのジオラマ製作を担当。15年ほど前より町田忍氏との合作ジオラマを製作している。