2017/03/24

トピック

3月13日(月)、品川区の銭湯経営者を対象に認知症の人やその家族を見守る認知症サポーターを養成する「認知症サポーター講座」が開催され、約30名の銭湯経営者が参加した。

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講義は「新生湯」(品川区旗の台)の介護事業部門「湯~亀」のメンバーが担当(新生湯では平成15年からデイサービスを銭湯に併設している)。第一部では認知症の病状についての詳しい解説、認知症患者との接し方などについて映像を使った解説が行われた。

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休憩を挟んで行われた第二部では、「湯~亀」のメンバーで構成される「湯~亀劇団」が銭湯の脱衣場を舞台に、認知症の人が遭遇しそうな具体的なトラブルを寸劇で紹介。普段から高齢者のデイサービス事業に携わっているメンバー達だけに、素人離れした迫真の演技で受講者を沸かせていた。

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第一部、第二部を通し、認知症の人や認知症が疑われる人には「驚かせない」「急がせない」「自尊心を傷つけない」の3つの「ない」が重要であることがわかりやすく説明され、受講者は認知症の人への具体的な接し方について真剣に耳を傾けている様子だった。受講後は「認知症の人を応援します」という意思を示す「オレンジリング」(リストバンド)が参加者全員に配布され、記念撮影が行われた。

講座に参加した銭湯経営者の一人は「高齢の利用者の中には、下足場で服を脱ぎ始めるなど認知症が疑われる人もいる。今日の講義に参加して、何か起きた時に頭ごなしに注意するのは逆効果だということがわかったので、今後の接客に活かしたい」と語った。

講座を企画した新生湯代表の新井重雄さんは「銭湯は高齢のお客さんが多いので、今日の講座で学んだ知識を営業に役立ててもらいたい。それと、今日は銭湯経営者が対象ですが、一般の方にも認知症についての理解がもっと広がってほしいですね。認知症サポーター講座はこれまで郵便局や町内会などでも実施してきました。品川区内なら参加者が二人集まれば『湯~亀』のメンバーが出張講座を行いますよ」と、認知症サポーターのさらなる養成への意欲を示した。

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講座を運営したのは介護事業部「湯~亀」のメンバー

 

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鍵が見つからない! 真に迫った演技で受講者を沸かせた寸劇