JR平井駅南口から歩いて5分。静かな住宅街でぱっと目を引く、白く新しい建物へたどり着いた。


どこか料亭っぽい雰囲気の佇まい

大正12年から続く、ここ吉野湯は、2020年9月に今井健太郎氏設計でリニューアルオープンした。ちなみに吉野湯の名は初代・吉次郎さんのお名前に由来しているんだとか。

4代目の岡部洸樹(ひろき)さん。毎日Twitterを更新中!

■トレードマークは大きな坪庭! 湯上がりはここで一杯いかが?

池には小さな金魚たちも泳いでいるのでご注目を

まず気になるのはロビー手前にある大きな坪庭。もともと創業の頃から女湯側にあったというお庭は、リニューアルの際に「男女みんなで楽しめる場所に」との思いでロビー空間につなげ、湯上がりの憩いの場になった。イベントのレモン湯やゆず湯の際には黄色にライトアップするなど、何度も見に行きたくなる仕掛けもたっぷり!

池の真ん中には鶴の銅像。昔はくちばしから水が出たんだとか

縁側に小さなイスもあり、湯上がりはここでビールを飲んだり、サイダーを飲んだり、駄菓子を食べたり……。今の都会ではなかなかできない、ちょっとなつかしい、むしろ新しい、そんな体験ができるのが吉野湯の魅力だ。

12種もの駄菓子に子どもも大人も心躍る

お酒好きな4代目の岡部さんのこだわりで、ビールは4種類、発泡酒、ハイボールにレモンサワーとお酒のラインナップも豊富。もちろん定番のコーヒー牛乳をはじめ、瓶サイダーなどソフトドリンクも充実!

そして、なんとみんな大好きなアイスも数種類あり、湯上がりに何をいただこうか、うれしい悩みを抱えてしまいそう。

 

■涼やかなブルーが美しい、レトロなタイルに注目!

清潔感ある浴室に、中島氏が描いた大きな富士山がそびえる

白、水色、青を基調にした明るい浴室は、2020年8月に描かれたまだ新しい富士山が見守る。なんといっても心奪われるのは、浴室に敷き詰められた小さなかわいいタイルたち。

床のタイルは女湯が白色ベース、男湯は水色ベース

浴槽ごとにタイルの色や形が違うのでご注目を

男女浴室ともに、レトロでかわいいお花模様が床いっぱい。リニューアル前は一般的な大きさのタイルだったが、いまこそ、昔ながらのレトロで小さなタイルを敷き詰めるのが逆に新しくてエモいのでは、ということで採用に至ったんだとか。

一番温度の低い水風呂は白いタイル、炭酸泉は淡い水色、ジェットバスなどの42℃前後のお風呂は水色、そしてあつ湯は濃いめのターコイズブルーと、お湯の温度が高くなるにつれて浴槽のタイルの色が濃くなるグラデーションもたまらない!

リニューアルで誕生した炭酸泉が特に人気

■初めて見る、琥珀色の水風呂にちゃぷん

中に段があり、お好みの深さでつかれる水風呂

吉野湯では全てのお湯に地下水を使用しており、肌触りがなめらか。水風呂の地下水は濾過せずそのまま掛け流しにしているので、ほんのり黄色みがかっているのが珍しい。飲用は不可だが、水質検査の結果、成分としては飲んでも大丈夫なくらいイイ! とのこと。

あつ湯でじっくりあったまって、やわらかな地下水が満ちた大きな琥珀色の水風呂に浸かる、交互浴もがっつり楽しめちゃうのがうれしい。水風呂は掛け流しなので温度は季節により、16~20℃前後。

 

■湯上がりスペースの充実度がすごい

小さなお庭は和モダンで心落ち着く空間(女湯)

女湯にある、小さな涼み処は今回のリニューアルで誕生。交互浴の後の外気浴に使うもよし、お風呂上がりに女同士ここで休憩するもよし。男湯側にも小さな坪庭があるのでご安心を。くつろげるところが多くって、いつまでも居座っちゃいそうですね……!

手洗い場のタイルにも隠れ金魚が! 吉野湯では隠れ金魚を捜索するべし

■「また来たい」と思ってもらいたい。真心こめた接客と清掃

4代目の岡部さんは何よりも一番に、気持ちのいい接客を大事にしている。

常連さんの中には一人暮らしの高齢者もいるので、お風呂だけでなくフロントで話すことでもリラックスしてほしい、そんな思いで入浴客と向き合う姿が頼もしく、あたたかい。

また、印象的なのは、とにかくどこもかしこもピッカピカなこと。

毎日3時間かけて、丁寧に丁寧に磨いている浴室は、リニューアルから5ヵ月経った今ももちろんピッカピカ。岡部さんの真心こもった手入れがこの綺麗さを維持しているのだ。

昔ながらの天井に新しいペンダントライトが見事にマッチ

ロッカーの間に荷物の一時置き場があるのが地味にありがたい

■平井ではしご酒、なんて選択肢も

開放感ある気持ちのよい浴室をたっぷり楽しんだ後は、お庭を眺めて湯上がりの1杯を。
そして少し歩いて駅周辺に並ぶ飲み屋・バーでまた一杯……。そんな平井はしご酒を楽しむのもまた一興。

お酒好きの岡部さんにおすすめのお店を伺ってみては?

つい、また来たくなる。
新しく生まれ変わっているのに、実家に帰った時のようにほっこりする。そんなほっとする温かさがここにはある。

古きよき美しさを令和に伝える、ニューレトロ銭湯「吉野湯」。ぜひ足を運んでみませんか。

(写真・文:銭湯ライター 林田紗央莉


吉野湯(江戸川区|平井駅)
●銭湯お遍路番号:江戸川区 4番
●住所:江戸川区平井4-23-2
●TEL:03-3681-6833
●営業時間:15~24時(24時までに退出)
●定休日:月曜
●交通:総武線「平井」駅下車、徒歩5分
●ホームページ:https://www.oyunofuji1010.com/gallery/1865/
●Twitter:@yoshinoyu_1010
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