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「昨年、リニューアルを機に営業時間を早めたら、若いお客さんが段々増えてきました」と笑顔で話すのは、2代目ご主人の髙野泰思登(やすしと)さん。その第二亀の湯は、西武新宿線の武蔵関駅に程近い住宅街の一角に建つ。路地裏にあることが多い銭湯だが、こちらは通りに面していてわかりやすい。優雅な弧を描いたモダンなガラス張りの外観に、「第二亀の湯」の赤い文字が印象的だ。

正面2階には、24時間営業のスポーツクラブの黄色い看板が目立つ。実は、第二亀の湯は1階で銭湯を営む傍ら、長らく2階でもサウナを別店舗として営業してきた。宴会場があって食事ができるため、一休みする会社員やタクシーの運転手で賑わっていたのだが、近年は長引く不況で客足が減少。昨年、そのサウナを思い切って閉店した後に、現在のスポーツクラブが入居した。スポーツクラブの利用者には、トレーニング後に銭湯で汗を流せるとあって好評だ。

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さて、第二亀の湯の創業は1957(昭和32)年。当時は周辺に風呂なしアパートが密集していたそうだが、この地に50年住んできた髙野さんは、「とにかくマンションが増えて町の風景が変わりました」と話す。

現在のビル型銭湯に建て替えたのは1986(昭和61)年のこと。薪や重油でお湯を沸かすのが主流だった時代だが、銭湯で初めてガスで湯を沸かす設備を取り入れたことで話題になった。前述のように外観は弧を描いたガラス張りのしゃれたデザインで、店内にはステンドグラスを取り入れており、全体的に凝った造りになっている。2016年5月に、浴室のタイルや脱衣場の一部をリニューアルした。

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タイルを張り替えた浴室は、掃除も行き届いており気持ちがいい。壁面の富士山の写真が訪れる人々の目を和ませる。湯船は大きな湯船と小さめの湯船が一つずつとシンプルだ。浅い方はお湯がぬるめで、ジェットが吹き出る座風呂と、下から泡が噴出するバイブラゾーンに分かれている。仕切りのない湯船は広々として気持ちがいい。

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「リニューアルの際に炭酸泉も考えたんだけど、最終的にはシンプルな設備が一番だと思った」と髙野さん。小さめの湯船は熱めで44℃くらい。ぬるめの湯で体をほぐした後、多少の我慢とともに熱湯の湯船に肩までつかると、深風呂ならではのなんともいえない満足感が湧き上がってくる。のぼせる前に上がって水を被り、これを幾度か繰り返していると、心身の疲れが雲散霧消した。

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さて、以前の開店時間は16時からだったが、昨年のリニューアルオープンを機に昼の12時オープンに変更した。その結果、夕方に集中しがちだった常連さんたちが分散して、どの時間帯ものんびり入れるようになった。また、武蔵関駅周辺は新宿や吉祥寺にも出やすく便利で、付近に学校も多いため若い人がもともと多い土地柄。そのため、リニューアル、営業時間の変更、トレーニングジムとのタイアップなどを機に、若い利用者が増えつつあるという。

昨年のリニューアル工事では、必要最小限な所を直しただけという髙野さん。「直したいところはたくさんあるから、少しずつやっていきます」。時代に合わせた挑戦はこれからも続く。
(写真・文:編集部)


【DATA】
第二亀の湯(練馬区|武蔵関駅)
●銭湯お遍路番号:練馬区 32番
●住所:練馬区関町北1-15-7
●TEL:03-3920-3542
●営業時間:12~23時
●定休日:月曜
●交通:西武新宿線「武蔵関」駅下車、徒歩3分
●ホームページ:http://rica2415.wixsite.com/dai2kamenoyu
銭湯マップはこちら
※駐車場(5台)は、夜19時以降利用可

※記事の内容は掲載時の情報です。最新の情報とは異なる場合がありますので、予め御了承ください。

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浴室入り口のゲートがしゃれている

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昔ながらのマッサージ機

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フロントの上にあるステンドグラスが目を引く

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男湯同様、女湯の壁の写真も近々富士山に変わる予定