銭湯川柳に多数のご応募ありがとうございました。

第7回銭湯川柳コンテスト4〜5月の応募は過去最高の1817作でした。そのうちの秀作32作を発表します。

選者はシニア大樂 川柳研究会です。

引き続き、銭湯川柳の応募をお待ちしております。

応募はこちらからどうぞ。


銭湯の 湯気にも溶けぬ 雪の富士

なんきんも

《解説》昔は風呂に入りながら大きな富士山の絵を眺めたものだ


効能に 個人差が出る 美人の湯

井戸乃蛙

《解説》それなりに……


温かく 湯屋が迎える 不合格

井戸乃蛙

《解説》入試発表


忖度が ボイラーマンの 誇りです

井戸乃蛙

《解説》お客様への心遣い


風呂帰り 上着代わりに 湯気まとう

汐海 岬

《解説》温かい湯気がまだ残っている帰り道を想像しました


猛暑下の 干物の体 湯で戻す

かきくけ子

《解説》干物寸前の体が湯で生き返る


銭湯で 顔を洗って 夜の顔

はぐれ雲

《解説》さて、次の商いへ出勤です


番台の抽出し日米対話集

カジ

《解説》東京オリンピックに向けて銭湯も国際化に舵をとっています


着飾った 心畳んで 脱衣籠

松川 涙紅

《解説》――


銭湯で よごれた体 煮沸する

ヤルキメデス

《解説》――


今日もまた 孫の子分で 湯屋にゆく

古垣内 求

《解説》――


釈迦になり菩薩にもなる銭湯で

荘子 隆

《解説》――


どの顔も お湯に入れば とろけ顔

村田 千賀子

《解説》――


会社より 風呂の窓際 ホットする

大和田 康夫

《解説》――


湯屋帰り 背中の子供 柚子の息

ずんだもち

《解説》――


湯の中は ひものほどけた 顔ばかり

伊藤四片

《解説》――


銭湯に 浸かる赤ちゃん にっこりと

岡山凡夫

《解説》広い銭湯に入れると赤ん坊ものびのびし笑顔を見せる


「どさ ゆさ」が すれ違う道 雪の中

かなぐしく

《解説》弘前にあった風呂無しの祖母の家、銭湯までの雪道が暗くて遠くて怖かった思い出


柚子風呂は 単身赴任の おもてなし

薩摩っぽ

《解説》単身赴任先で柚子湯の銭湯に癒された


部活終え 湯船に浸る 女子の群れ

ありか

《解説》ああ極楽。気兼ねなく


身と心 クラゲのよう 透き通る

田舎者

《解説》逆さクラゲでなく本当のクラゲのような感覚になる銭湯


湯から出た すっぴん妻に あとずさり

ポンコツ亭主

《解説》こんな顔だったかな?


カバなのに つかる時間は カラスなみ

満川 恒朗

《解説》――


男湯や シャンプー要らぬ 人ばかり

桐山 榮壽

《解説》――


水風呂が 育てた我の やせ我慢

宮川清柳

《解説》大人のまねして、無理して水風呂に入ったものです


銭湯に 浮かぶ花の香 季節知る

浪花のババ

《解説》子育ての忙しいとき銭湯に浮かべてある菖蒲などを見てほっとしたときの思い出です


子ら帰り 嵐が去って 仕舞い湯へ

浪花のババ

《解説》子たちが帰り、普段の主人と二人暮らしに戻り、夜遅く銭湯に浸かりほっとした気持ちと寂しさとを表しました


満月を 崩して入る 露天風呂

長畑 孝典

《解説》露天風呂付き銭湯はゆったりした気分でいいですね


祭の夜 沁みてうれしい 神輿こぶ

保岡直樹

《解説》三社祭の夜、久しぶりに銭湯へ立ち寄りました。灼けた肌の男衆が数人、汗を流していました。神輿こぶで盛り上がった肩を誇らしげに広げ、湯船につかる姿が眩しく逞しく印象的でした


神田川 歌にかさなる 恋ひとつ

保岡直樹

《解説》――


銭湯で 孫に似た子に 話しかけ

長瀬 一夫

《解説》――


元号を 三つ跨いで 湯屋のボス

佐久間 博信

《解説》――