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春の心地よい風が吹く4月23日に曙湯(台東区)の撮影をした。曙湯の名物である藤の花が咲いている時の撮影が目的だ。

藤の開花は、その年の天候により4月下旬から5月上旬あたりを前後する。また、咲いている期間が5日ほどと短いため、その間に撮影に適した天気などの条件が整うか心配だった。しかし、そんな心配をよそに、撮影当日は雲一つない晴天となり、春の日差しの元、藤がお淑やかに咲いている姿を写すことができた。写真が公開される頃には残念なことに藤の花は散っているが、ぜひ来年は咲いている時期に曙湯を訪れてほしい。

さて、この藤の木の由来だが、一説によれば今のJRAウインズ浅草あたりに昔在った「ひょうたん池」の周辺に植えられていた2本の藤の木のうちの1本らしい。男湯の坪庭から出ている幹の太さを見ると、この地に移ってきても逞しく生きてきたことが伝わってくる。

今回撮影をして気付いた、もう一つの曙湯の名物は、中心から真上に見上げることができる格天井だ。通常は男女の脱衣場の壁が、格天井の中心を貫いているため、上下左右の中心から撮影するのはむずかしい。だが、曙湯には脱衣場を改装して設けたロビーがあるため、天井の中心を見上げることができるのだ。綺麗にシンメトリーに作られた格天井を見ると、当時の職人さんの技術の高さが伝わってくる。

70年ほど前から続く銭湯が、少しずつ時代の要望に応えながら改良されていく姿を見ると、どこかほっとすると共に背筋が伸びる思いがする。私自身、もっと柔軟に要望に応えられるるようになるためには、修行がまだまだ足りないと気付かされる曙湯の撮影だった。

(写真家 今田耕太郎)

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【DATA】
曙湯(台東区|浅草駅)
●銭湯お遍路番号:台東区 24番
●住所:台東区浅草4-17-1
●TEL:03-3873-6750
●営業時間:15~25時
●定休日:第三金曜
●交通:東京メトロ銀座線「浅草」駅下車、徒歩15分
●ホームページ:http://taito1010.com/component/mtree/sento-list/akebono-yu.html
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今田耕太郎

1976年 北海道札幌市生まれ。建築写真カメラマン/写真家。

2014年4月よりフリーペーパー「1010」の表紙写真を担当。2015年4月からはHP「東京銭湯」のトップページ写真を手がける。

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